「サンディングあり」「パラジェルなどのノンサンディング」「フィルイン」——。 ジェルネイルには爪への密着のさせ方にいくつかの選択肢があり、爪の状態や好みによって向き・不向きがあります。
今回は、ジェルが爪にくっつく「密着」というしくみと、それぞれの特徴を整理してみます。

1. 密着は、2つの力の合わせ技
ジェルが爪にしっかりくっついているのは、1種類の力だけではありません。主にこの2つの力が組み合わさっています。
- 機械的結合(引っかかる力): 爪の表面に細かい凹凸をつくることで、そこにジェルが入り込み、しっかり引っかかる力。いわゆる「アンカー効果」です。
- 化学的結合(結びつく力): ジェルの成分と爪のケラチンが、分子レベルで手をつなぐように結びつく力。
サンディングあり・なしは、この2つの力のどちらを「主役」にするかです。
2. サンディングあり——しっかり引っかけて密着させる方法
爪の表面をやすりで軽く削ることで、細かな凹凸をつくります。そこにベースジェルが流れ込んで硬化するので、物理的な「引っかかり」が生まれます。
結びつく力も同時に働くので、密着力はかなり強くなりやすく、持ちが安定しやすいのが最大の特徴です。ただし、爪の表面をわずかに削ることになるので、繰り返すと自爪が薄くなりやすいという一面も持っています。
3. ノンサンディング——削らずに結びつける方法
パラジェルに代表される「削らない」システムは、爪の表面を削らずに、結びつく力を高めることで密着させています。
ノンサンディングジェルは、爪の表面と分子レベルで手をつなぐような設計になっています。
自爪への物理的ダメージが少ないのが嬉しい点ですが、引っかかる力に頼れない分、「油分・水分をどれだけ丁寧に取り除けているか」が密着力を大きく左右します。
4. フィルイン——伸びた部分だけ、つなぎ足す方法
フィルインは、ベースジェルを一層残して削り、新しいジェルをつなぎ足していく方法です。オフの溶剤(アセトン)や削りの負担を最小限にできるのが魅力です。
しかし、「自爪の状態を長期間、直接確認できない」ため、ベースジェルの下に浮きが生じていた場合、そこから水分や汚れが入り込み、細菌が繁殖して爪が緑っぽく変色する「グリーンネイル」などにつながる危険性があります。
また、重ねるたびに厚みが増しやすいため、定期的にリセット(全オフ)して、爪の状態をチェックすることが大切です。
5. それぞれのメリット・デメリットを比較
どの方法も「一長一短」。今のあなたの爪の状態に合わせて選ぶことが大切です。
| 方式 | メリット | デメリット・リスク |
|---|---|---|
| サンディングあり | 物理的+化学的の両方で密着するため、持ちが非常に安定しやすい。 | 削ることで自爪が薄くなりやすい。オフの溶剤が乾燥の原因になることも。 |
| ノンサンディング | 削らないため物理的ダメージ少なく、爪の厚みや健康を保ちやすい。 | 油分や水分の除去が不十分だとはがれやすい。傷んだ爪には密着しにくい場合も。 |
| フィルイン | オフの負担を最小限に抑えられ、自爪を育てながら楽しめる。 | 自爪の異変に気付きにくく、グリーンネイルなどのリスクが高い。厚みが出やすい。 |
6. 結局、どう選べばいいの?
どれか一つが絶対的に正解というわけではありません。
「とにかく持ちを優先したい」ならサンディングあり、「自爪をできるだけいたわりたい」ならノンサンディング、「オフの刺激を避けたい」ならフィルイン、というように、何を優先したいかで選ぶのがいちばん良い考え方です。
爪の状態やライフスタイルに合わせて選んだり、時には方法を切り替えたりするのがおすすめです。
まとめ
爪とジェルの密着は、「引っかかる力」と「結びつく力」の合わせ技で成り立っています。
それぞれの得意なところと、気をつけたいリスクを知っておくことで、自分に合ったスタイルがきっと見えてきます。
「今の私の爪にはどれがいい?」と迷ったら、ぜひ信頼できるネイリストに相談してみてくださいね。
福生のネイルサロンクロリには、様々な施術に対応したネイリストが在籍しております。
プロのアドバイスが、あなたのネイルライフをより安全で楽しいものにしてくれるはずですよ。
参考文献
- Chen AF, Chimento SM, Hu S, et al. Nail damage from gel polish manicure. Journal of Cosmetic Dermatology. 2012;11(1):27–29. DOI: 10.1111/j.1473-2165.2011.00595.x.
- Baran R, André J. Side effects of nail cosmetics. Journal of Cosmetic Dermatology. 2005;4(3):204–209. DOI: 10.1111/j.1473-2165.2005.00313.x.
- Madnani NA, Khan KJ. Nail cosmetics. Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology. 2012;78(3):309–317. DOI: 10.4103/0378-6323.95445.
この記事を書いた人:

美容研究家/文筆家/サイエンスキュレーター
年間2,000点以上の化粧品を見極める美容研究家。
早稲田大学大学院修了後、運動生理学・人間工学・臨床心理学を専門に、自動車メーカーで疲労・ストレス研究に12年間従事。その後、教育業界で13年指導を行う。
研究者の分析力と教育者の伝える力を生かし、美容を科学的な視点でわかりやすく解説。成分やエビデンスをもとに、実際の使用感まで踏み込んだレビューに定評がある。
1995年のインターネット黎明期から情報発信を始め、2004年に美容ブログを開設。以来20年以上、変わらず一次情報にこだわった美容コンテンツを届けている。
現在はインフルエンサー・プラスサイズモデル・経営者としても活動。2022年にU to U合同会社を設立し、2023年にはネイルサロン「coloris(クロリ)」をプロデュース。「誰もが活き活きと輝ける仕組みづくり」を軸に事業を展開中。
学生時代はスキーで国体出場、体育会バレーボール部・ア式蹴球部(サッカー部)に所属し、体育教員免許を保有。趣味は作詞作曲と水彩画。猫様のしもべ。
